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2024年8月7日

手みやげにも!わが街の名物和菓子【滋賀】

スイーツ番長のSが、滋賀の和菓子をご紹介します!

【京都編】【大阪編】に続く第三弾!今回も実食した感想付きです。
滋賀編では、昔から親しまれてきた名物和菓子にあらためて注目してみました。

私自身ひさしぶりに食べたのですが、やっぱり間違いない美味しさ!
そして、歴史ある銘菓ゆえの興味深いエピソードを知ることもできました。
手みやげに、贈り物に。歴史に思いを馳せながら、ぜひわが街自慢にお役立ててください。

走り井餅本家の走り井餅【大津】

走り井餅 5個594円

ひとつ目は「東海道大名物」として知られる走り井餅です。
旅人で賑わった逢坂山・追分。

明和元年(1764年)に、この地にある走り井 (清水が勢いよく湧き出る井戸)の名水と近江の米で
つくった餅が売り出されたのが始まりです。

逢坂山・追分は、現在のJR「大津」駅の西南方向に広がる辺り。

今は、逢坂山トンネルが有名ですが、平安時代から東海道、中山道、北陸道などの
人と物が行き交う逢坂の関で知られていました。

この辺りには平安時代の歌人 蝉丸も住んでいたそうで、小倉百人一首の歌でも有名ですよね。
――これやこの 行くも帰るも 別れては 知るも知らぬも 逢坂の関

走り井餅は、しっとりとしたお餅の中に、上品なこし餡が入っていて、
やさしい食べごこち。きな粉、抹茶もあり、開封前なら数日日持ちもします。

10個入り、15個入りもあり、手みやげにもピッタリですね。
個人的に以前から気になっていたこの形状。走り井の水しぶきを表しているのだそう。

さらに、両端がとがっていて、平安時代の刀鍛冶、三条宗近が走り井の水で鍛えた名刀に似ている
ため、剣による難を免れると旅人たちに人気だったのだとか。
刀にしてはぷっくりとしていて親しみを感じるとともに、昔の人たちの想像力に感心します。

■店名
走り井餅本家 本店(はしりいもちほんけ ほんてん)

■住所
大津市横木一丁目3-3

■交通
・京阪京津線「追分」駅から徒歩約6分

■営業時間・定休日
9:00~18:00 年中無休

■電話番号
077-528-2121

>>公式サイトはこちらから
https://www.hashiriimochi.co.jp/

三井寺力餅本家の力餅【大津】

力餅5本入り 648円(パック入り)、7本入 910円(箱入り)

琵琶湖に程近い浜大津にある、三井寺力餅本家は創業明治2年の老舗。

なぜ三井寺? なぜ力餅?その由来は弁慶の逸話にあります。
その昔、天台宗の山門派(延暦寺)と寺門派(園城寺=三井寺)が争っていた頃。
延暦寺の弁慶が三井寺に攻め入ります。
鐘を奪って比叡山へ引き摺り上げ、撞いてみると、「イノー・イノー」(帰りたい)と響いたとか。
時を経て、この弁慶の怪力にちなんで売り出されたのが力餅というわけです。

ちなみに、その鐘はその後三井寺に返されて、今も境内にあります。
三井寺に行かれた際は注目してみてくださいね。

さて、力餅そのものについてですが、たっぷりまぶされているきな粉が、とっても香り豊か。
うすいグリーンの色は、青大豆と抹茶のブレンドによるものです。

香ばしさが際立つきな粉ともちょっと違い、フレッシュな味わいが秀逸。
持ち帰りの場合は、パックの中にたくさん残るきな粉もお楽しみの一つです。

はちみつと一緒にパンに塗ったり、ヨーグルトや牛乳に混ぜたりと二度美味しい♪本店では、注文後に蜜をかけて、きな粉をまぶしてくれますよ。

2階には大津絵の素敵なギャラリーもあり、おすすめです!

■店名
三井寺力餅本家(みいでらちからもちほんけ)

■住所
滋賀県大津市浜大津2丁目1-30

■交通
・京阪京津線「浜大津」駅からすぐ
・駐車場なし

■営業時間・定休日
7:00〜19:00 年中無休

■電話番号
077-524-2689

>>公式サイト・オンラインショップはこちらから
https://www.tikaramoti.jp/

うばがもちやのうばがもち【草津】

●うばがもち 6粒入り 350円

草津宿の名物、うばがもち。国道2号線沿いにある大きなお店が本店です。

今回はじめて知ったのですが、うばがもちの歴史は驚くほど古かった!
時は、戦国時代の真っただ中、永禄年間(1558~1569)。
織田信長が畿内を制圧、敗北した近江の守護大名佐々木義賢は曽孫を乳母に託します。
郷里の草津に帰った乳母は、餅をつくって売り、懸命に養育します。

そして、次第にこの餅が人々から、「うばがもち」と呼ばれるようになっていきました。

なんと400年以上も前にルーツがあったんですね。 徳川家康に献上された歴史があるほか、
近松門左衛門による浄瑠璃や、広重、北斎らによる浮世絵にも登場しています。

このかわいらしいサイズが特長的。乳母のお乳を表しているそうです。
地元草津産のもち米で作った羽二重餅が、北海道産小豆のこし餡でやさしく包まれています。
甘党の方なら、3つぐらい軽く食べられそう。

お餅に対するこしあんの分量が多いためか、1つでも結構満足感があります。
パクっと食べられるので、仕事中の差し入れにもいいですね。
個数も6粒入りから36粒入りまで、バリエーションがあります。

ちなみに、6粒入りをお湯に溶くと、おしるこができるそうです!
秋になったら、ぜひ試したいですね。
購入できるのは、基本的に、本店と草津駅前店、JR草津駅コンコース店の3か所のみ。
草津市以外では販売されていない点も、価値ありです!

■店名
うばがもちや本店(うばがもちやほんてん)

■住所
滋賀県草津市大路二丁目13番19号

■交通
・JR「草津」駅から徒歩約11分(国道大路交差点 宿場そば横)
・駐車場あり(20台)

■営業時間・定休日
9:00~19:00(土日祭8:30~19:00)
年中無休

■電話番号
077-566-2580

>>公式サイトはこちらから
https://www.ubagamochiya.jp/

吉田玉栄堂の串だんご【草津】

●くしだんご 1串380円

こちらは知る人ぞ知る名物かもしれません!
草津の穴村地区で、200年以上前から伝わるくしだんごです。

穴村は古来より「灸治の里」として知られ、たくさんの人が各地から通ってきたそうです。
モグサから採った液を付ける墨灸という治療法で、熱くないため、
特に夜泣きの子どもが多かったのだとか。。
くしだんごは、その墨灸帰りの子どもをあやすおやつだったそう。

直径1cmほどの小さなおだんごをささらの竹に刺し、扇のように広げた形が独特です。
写真に写っているのが1串で、おだんごが50個付いています。
小さくて醤油味なので、ひとり1串食べられますよ。
売切れていることが多いので、電話での予約がおすすめ。

■店名
吉田玉栄堂(よしだぎょくえいどう)

■住所
滋賀県草津市穴村町327-2

■交通
・JR「草津」駅からバスで「穴村」下車、徒歩約9分
・駐車場なし

■営業時間・定休日
8:30~17:00 売切れ次第閉店
木曜、土曜、日曜休み

■電話番号
077-568-0036

>>公式サイトなし

和た与のでっち羊羹【近江八幡】

●でっち羊羹 3本包み 1,069円
近江商人の街、近江八幡と言えばでっち羊羹。
小麦粉と小豆餡を練り合わせ、竹皮に包んで蒸した素朴なお菓子です。
海から遠く、寒天が手に入りにくかったことから、生まれた製法なのだとか。
もっちりとした食感と、甘すぎずあっさりとした風味が私も大好きです。

でっち羊羹ようかん発祥の店、和た与の創業は文久三年(1863年)。

でっち羊羹は、大坂や関東の商家に奉公に出ていた丁稚さんが、お正月やお盆に近江八幡へ帰郷し、
また奉公先に戻る際のおみやげとして重宝されたそうです。

お給金の少ない丁稚さんでも買える手頃な値段だったためだとか。
当時、丁稚さんは10歳から15歳ぐらいだったようで、初めの数年間は帰郷できなかったとも
言われています。ほとんど子どものような丁稚さんが買い求めたことを思うと、なんだか健気ですね。

また、菓子屋さんでは、こね合わせることを「でっちる」とも言い、小麦粉と小豆餡を練り合わせる
工程が由来になっているという説もあるそうです。

お店は、近江商人屋敷が並ぶ一角にあります(写真は近江八幡の風景)。
散策を兼ねて、お買い物に行くのもおすすめですよ。

■店名
和た与(わたよ)

■住所
滋賀県近江八幡市玉木町2-3

■交通
・JR「近江八幡」駅から近江鉄道バスで「新町」下車すぐ
・駐車場あり

■営業時間・定休日
9:00~18:00 火曜定休(祝日の場合は営業)

■電話
0748-32-2610

>>公式サイトはこちらから
http://watayo.com/

まとめ

いかがでしたか?

今回は滋賀の歴史ある名物和菓子に注目してみました。

京都や大阪と異なり、看板菓子を長きにわたって受け継いでいるお店が多かったですね。

街道や宿場町に由来するものが多いのも滋賀の特徴かもしれません。
スイーツ番長の私が、今回はちょっと歴史マニアになってしまいました。

逸話のある美味しい和菓子があると、ちょっと自慢したくなりますよね。
ぜひ、手みやげに、普段のおやつに、あらためて味わってみてください。

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